老後資金を作ろう!
老後資金といいますが、老後とはいったい何でしょう? 今更ですが確認してみたいと思います。
老後とは年をとった後という意味ですが、高齢者になった後、つまり死んでしまうことではなく、年をとった後半生といった意味であり、日本では主に「定年退職後」の意味で用いられています。
FP(ファイナンシャルプランナー)の科目にリタイアメントプランニングという科目があるのですが、今老後というと、退職後の経済的生活設計のことを指すことになるかと思います。
退職後は当然主だった収入がなくなるので、退職後の資金準備として日本には、年金制度が存在します。会社員の場合は厚生年金保険、自営業、または会社に属さない人、学生は国民年金保険に自動的に加入することになっています。
が、少子高齢化が急速に進み、年金財源も健康保険財源も払う人よりも受け取る人の方が多くなるため年金の受給開始年齢の繰り下げや年金額減少が検討されており、さらに老後不安を増大させているという側面も・・・
今まで一生懸命働いてきて、第二の人生、お金の心配をしないで充実していきたいですよね。
最近、貯蓄だけでは心配だという話もよく聞きます。
が・・・
1000万円までの貯蓄とその利子は保証されるペイオフ対象の預貯金と違って、投資となると元本保証はありません。
(逆に元本保証!高い利率確約!なんて言われたらそれは詐欺と思いましょう)
となると、投資未経験の人や初心者の人はせっかく貯めたお金が目減りしてしまう・・・と不安を感じてしまいますね。
今日は小額投資非課税制度(NISA)について考えてみたいと思います。
NISA(小額投資非課税制度)ってそもそも何?
少額投資非課税制度とは、日本において、株式や投資信託の投資に対して、税制上20%かかる売却益と配当への課税を、年間120万円を上限に非課税とする制度である。 ウィキペディア
イギリスのIndividual Saving Account(直訳では個人貯蓄口座)をお手本とした日本版(N)ISA=NISA 小額投資非課税口座といえます。
で一体NISAってなにが得なの?
はい、メリットを確認してみましょう。
メリット1 売却益や配当にかかる税金→¥0
株の売却時に得られる利益、配当金(銘柄により1~2回)はNISAだとすべて非課税。
通常 特定口座、一般口座での取引では
20%(利子所得にかかる分離課税率)+0.315%(復興特別税)が利息、配当金から差し引かれます。
が、NISAでは年間120万円まで、5年間非課税になるんです。
いくらからスタートできる?
メリット2 小額から投資ができます
NISAで投資できる投資対象は、株、ETF, 投資信託、REIT(不動産投資信託)など種類豊富です。
株は銘柄によって、○○万など、まとまった金額が必要なものもありますが、一株単位で購入できて一株2万円、3万円、5万円ぐらいの銘柄もあります。
また投資信託では、1万円以内で購入できるものも多いので、無理せず少しずつ投資していくことができます。
まとまったお金がないと投資できない!? と思われがちですが、リスク商品ですので小額ずつ増やしていくのもありです。
元本保証ではないんでしょ?リスクはないのですか?
投資である以上リスクは0ではありません。けれども分散投資をすることでリスクを軽減することができます。
NISAの投資対象は株、投資信託、REIT、ETFなどいろいろありますが、一つの種類だけでNISA非課税枠を目一杯利用するのは、実は大きなリスクがあります。
例えば、A株を非課税枠いっぱい120万円保有したとします。
世界経済が減速して、急に日本株全体が下落したらいくら非課税でもそもそも利益が出ません。
またA社に何らかの不祥事があって、株価急落となると、こちらも損する可能性大ですよね?
投資の場合は、特に慣れないうちは、一点集中よりも時間を分散、対象を分散した方がリスクが低いかもしれませんね。
投資対象Aは時期的に価格が下がっていても、投資対象Bは投資地域が異なるため大きく利益が出たりすることもありますから。
NISA には2種類あるって聞いたけど?
NISAにはいっぱんNISAとつみたてNISAという2種類があります。
つみたてNISA | 種類 | 一般NISA |
2018年~2037年 | 投資可能期間 | 2014年~2023年 |
20年 | 非課税期間 | 5年 |
上限40万円/年間 | 非課税投資枠 | 120万円/年間 |
40万円×20年=800万円 | 最大非課税額 | 120万×5=600万円 |
条件クリアの投資信託、ETF | 投資対象 | 株式、投資信託、ETF REIT |
積み立て投資のみ | 投資方法 | 一括購入、積み立て投資 |
いつでもOK | 引き出し | いつでもOK |
NG | 余った非課税枠翌年への繰り越し | NG |
一般NISAは株式に投資可能ですが、つみたてNISAは条件クリアの投資信託やETFのみとなっているなど、投資したい銘柄や対象によって扱いのある金融機関が違うこともあるので、口座開設の際に確認しましょう。
NISAは一人につきつみたてNISAか一般NISAいずれかを一金融機関でのみ開設可能です。
(個人にとってメリットが大きい分、ひとり1口座と制限もあります)
NISAのデメリットを確認!
NISAは
- 年間120万、期間5年間売却益、配当にかかる税金は0
- 小額投資OK
- 分散投資することでリスクを抑えること可能
など個人にとってメリットが大きいといえますが、当然デメリットもあります。
【デメリット】
デメリット1 経済動向によって資産が増減する
NISAは、税制面では優遇されていますが、運用は自分で行います。
そうなると、経済動向によっては資産が増減します。増加する分には問題ないですが、引き出す時に目減りしているというリスクもなくはない・・・ これがデメリット1です。
デメリット2
一般NISAとつみたてNISA間での商品の移動はできない
例えばXという商品を一口購入したが、翌年は積み立てNISAでつみたてでふやしていきたくても一般NISAのXをつみたてNISAに移動することはできません。
デメリット3
一般NISA口座とつみたてNISAは併用できない
デメリット4
つみたてNISAでは、積み立て設定でしか商品を買えない
つまりつみたてNISAでは、A銘柄1つを例えば20万円というような購入方法は不可能
デメリット5
非課税枠は翌年への繰り越しできない。
1年目20万円非課税枠が残ったとしても、2年目120万円+1年目の20万円=140万円とはできない
デメリット6
転勤などで日本不在の場合 NISA口座は廃止。あくまで国内居住者に限ってのメリット
デメリット7
NISAは特定口座との損益通算ができない
特定口座同士であれば、A,B,C金融機関のうち、A金融機関で損が出ていた場合、B,C金融機関の利益と差し引きして課税額を圧縮できます。
が
特定口座DとNISA口座のE口座間の損益を通算することはできません。
このようにデメリットもあります。
老後の原資になるか? NISA(確定拠出年金)まとめ
NISAという言葉は聞いたことがあったり、新聞や書籍、ニュース報道などで何となくは知っていたけれど、実際どんなメリットがあってどんなデメリットがあるのか今一つわからず口座を開いて利用できていない人も少なくないのではないかと思います。
とは言え、せっかく課税されないで資産を増やす制度があるのですから、メリットを利用しないのももったいないですね。
例えば10万円の利益が出たとして、10万円×(100-20.315)%=79,685円しか利益が残らないのと、10万円まるまる利益があるのとではどちらがお得かは一目瞭然ですよね?
大切なあなたのお金です。制度を上手に利用して資産形成に役立てたいですね。
何か、始めないと将来ヤバいかも・・・とちゃんと先のことを考えているあなた
発想を変えて見ると選択肢が増えるかも?